丹波篠山市の司法書士事務所
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共有不動産の相続登記と義務化(2024年8月17日・vol.392)
お盆休みと言ってみても、行政機関や金融機関は通常営業ですし、成年後見人は基本的に休みなしなので、普通に事務所に電話が入るのが巷の司法書士事務所の実情だと思います。これを防ぎたければ、盆休み前にはできるだけ手続を控えるという方法も考えられますが、職業柄そんなこと言ってられないのも実情です。
というわけで、多少仕事もしつつ、お盆休みを満喫するのが例年の私の実情です。
さて、相続登記に関する業務をしていると、被相続人外数名の共有名義の不動産が発見されることが田舎だと割とよくあります。
この共有不動産ですが、その不動産が所在する地域の自治会等のいわゆる地縁団体が所有する不動産であれば(法人化していない団体の代表者数名で登記しているケース)、相続登記をするのではなく、団体に通知して対応を検討してもらうことになります。
他方、地縁団体が所有する不動産ではなく、あくまで共有名義人数名の私有財産ということであれば、これはもう相続登記の義務化の対象となりますので、放置せずに相続登記の手続をしなければならないことになります。
ところで、後者の場合、相続登記手続をするとしても、できるのはあくまで手続をする相続人の被相続人に関する持分に限られ、仮に被相続人以外の共有名義人が明らかにすでに死亡されている場合でも(実際、明治、大正、昭和初期に共有名義で登記されたまま一切登記名義が変更されていないケースはままあります)、それら他の共有者については、他人が勝手に相続登記手続をするわけにはいきませんので、とりあえず放置せざるを得ません。
そうすると、ここで問題が発生します。
「自分だけ相続登記しても意味ないんじゃないか問題」
です(←勝手にネーミングしてます)。
義務化の要請に従って自身の被相続人の名義については相続登記を済ましても、他の共有者は相続登記未了だし、長年放置されているのでその相続人は不明、その上、経済的価値がある土地ではないし、他の共有者が不明と来れば
共有持分買取専門業者も手を出さない
だろう。加えて、共有持分のみでは
相続土地国庫帰属制度も対象外
なので国庫帰属申請もできないし、
共有持分の放棄(民法255条)
をしても登記できなければ実質意味がない。他の死亡共有者の相続人を捜し出して
共有物分割請求(民法256条)訴訟
をする気なんて手続の負担を考えると到底起こらないし、他の共有者が所在不明に該当する場合での
所在等不明共有者の持分の取得・譲渡制度(民法262条の2、262条の3)
についても然りである。むしろ、相続登記をすることで、今後当該共有不動産について何か問題が発生した場合は、真っ先に相続登記をしている者に対して連絡が来るので不利益も発生するのではないか。
(←いろいろ想像して問題点を挙げております)。
経済的価値の高い共有不動産であれば、上記のような考えられる限りの法的手段を用いて解決することに多少前向きにもなれますが、そうでない場合(田舎の田畑、原野、山林等)は、義務化されたとはいえ、放置された共有名義の不動産については相続登記をすることについてすら後ろ向きになってしまう気持ちも理解できそうです。
そこで、仮に共有者が全員死亡していることが登記年月日からみて明らかな不動産において、一部の共有者について相続登記がなされた場合、法務局において他の共有者の相続登記未了が発覚するわけですが、それを機に、
当局から他の共有者の相続人に対し、相続登記手続(相続人申告手続も含む)の催促をする
というのはどうでしょう。こういうケースも催促パターンとして今後検討されてもいいんじゃないかと個人的に思います(あまり深く考えて言っておりませんので悪しからず・・・)。