2025年3月


 二刀流遺言?(2025年3月8日・vol.401)  
 
 今回は、先日受講した某研修会で講師の方が話されていた小ネタのご紹介です。

 遺言執行者の悩みの一つに遺言者の死亡(相続の開始・遺言の効力発生)を適時に知ることが難しいということがあります。

 遺言の執行(特に登記関係)は速やかに着手するのが鉄則ですが(そのため基本的に公正証書遺言を選択する)、遺言者の死亡を適時に把握できなければ、その分遺言執行の着手が遅れ、ひいては遺言内容の実現に支障をきたすおそれもあるため、遺言者の状況については絶えず気になるところ、常日頃、遺言者の安否を確認することは現実的に困難な場合もあります。

 そこで使えるのが、法務局の遺言書保管制度における指定者通知の制度(遺言書保管準則第19条第1項)です。

 この制度は、遺言者が遺言書保管申請の際に希望すれば、法務局(遺言書保管官)が遺言者の死亡の事実を戸籍情報から確認した場合に、あらかじめ遺言者が指定した方(3名まで指定可能)に対して、遺言書が保管されている旨を通知してくれるというものです。

 なるほど、この指定通知者制度を利用すれば、遺言者の死亡の事実をある程度は適時に把握することが可能となりそうです。

 でも、法務局保管の自筆証書遺言では、遺言執行の迅速性の面で公正証書遺言にやや劣ります。

 そこで考えられたのが、@公正証書遺言とA自筆証書遺言保管制度の二刀流です。簡単に言えば、Aを利用して遺言者の死亡の事実を適時に把握した後、@を使用して迅速に遺言執行に着手するという感じでしょう(たぶん)。また、遺言の内容は大体同じとして、作成日付はAが先で@が後とするのでしょう(たぶん)。
 ※ そこまで言われていませんでしたので「たぶん」です。

 私はこの二刀流遺言を活用したことはありませんので、この方法の是非は何とも言えませんが、こういう方法も考えられているということで勉強になりました。