2025年2月


 指定相続分による相続登記の更正登記手続の可否(2025年2月10日・vol.400)  
 
 恥ずかしながら、「要件事実」「主要事実」の違いについて、巷に溢れているこの類の専門書を何回読んでもいまいち理解できないまま20年近くが経ちましたが、先日の研修会で岡口先生の講義を受けて、ようやく腑に落ちた感じがしました。たかが用語の話と思うなかれ・・・。

 さて、令和5年の不動産登記実務運用の変更により、法定相続分による相続登記をした後に遺産分割協議が成立した場合は、権利取得者への持分移転登記ではなく、所有権更正登記によることが認められたことは周知のとおりですが(令和5年3月28日民二第538号通達)、これが指定相続分による相続登記の完了後であった場合はどうでしょうか。法定相続分指定相続分の違いと更正登記手続との関係を考えると、同様に認めてほしいよねと思っていたところ、この場合も同様に更正登記による方法が認められるべきとの見解が某書籍に載っていました。

 民法899条の2の規定を考えると、遺言で指定相続分がある場合は、後日の遺産分割を待たずに、とりあえず早急に指定相続分による相続登記をしなければなりませんので、当然認めて欲しいところですよね〜。