2024年10月


 種類取引担保根抵当権の物上保証(2024年10月17日・vol.395) 

 連休には仕事をしないであろうことを見込んで、先日の連休前に事務所のパソコンを買い替えました。セッティングやらデータ移行やらで、どうしても一時的にパソコンを使っての仕事ができませんので、タイミングを見計らっての決断です(←そんなにパソコンに詳しくはないので1日では終わらないのです。)。

 さて、何かしらの債務の不動産担保の登記案件については、昔に比べると減ってきているように感じますが、それでもまだまだ需要はあります(今後、担保法制も大きく変わると思われますので将来的にはどうなるかわかりませんが・・・)。

 また、担保設定の不動産の所有者が債務者以外の第三者の場合(いわゆる物上保証)の案件もまだまだあるでしょう。親所有の土地に子供がローンを組んで家を建てる場合は親の土地に物上保証として抵当権を設定しますし、会社等の事業性債務を担保する場合は役員等の関係者所有の不動産に根抵当権を設定することもありますよね。

 ここで、担保不動産を提供する物上保証人としては、物上保証として不動産に@抵当権を設定する場合とA根抵当権(特に一定の種類の取引によって生ずる債権を担保する根抵当権)を設定する場合では、その責任の違いについて十分に理解しておかないといけません。

 まず、抵当権の場合は、特定の債権(+利息、損害金)を担保するだけなので、金3000万円の住宅ローン債務と言われれば、担保すべき金額は明白なので責任の範囲もわかりやすいです。

 一方、種類取引債権を担保する根抵当権の場合は、担保される債権の範囲は、「債務者との一定の種類の取引によって生ずるもの」となりますので、仮に「今回、銀行から3000万円借りるから極度額5000万円、債権の範囲を金銭消費貸借取引とする根抵当権を設定させてちょうだい」と言われても、この根抵当権で担保される債権は3000万円とは限りません。過去に銀行から借りて未返済の債務も担保されますし、将来追加で借りる債務も担保されるからです。

 よって、種類取引債権を担保する根抵当権の物上保証をする場合は、「過去、現在、未来を含めて担保される債権の範囲」「極度額」の意味については、融資元から十分に説明を受けて理解したうえで担保提供を行うべきでしょう。

 ちなみに、この点で紛争になった裁判例は、以下のものがあります。

〇 平成11年3月18日高松高等裁判所決定

 司法書士の職務としては、特に物上保証で根抵当権を設定されるような場合には、本人確認、意思確認の際に、根抵当権を設定することの意味について理解されているかについても念のためお尋ねすることが多いのではないかと思います。