2022年12月


 5年か10年か、どっちなんだい?(2022年12月10日・vol.367) 

 たまに消費者金融等が10年近く前の古い債務名義を使って強制執行をかけてくることがありますが、この際、とりあえず債務名義にかかる請求債権が消滅時効にかかっていないかを確認するのが定石です。

 ここで注意が必要なのは、債務名義が確定判決の場合は、民法169条(改正前民法174条の2)で消滅時効の期間が10年となっているので、判決確定から10年経過前の強制執行であれば致し方ないですが、債務名義が確定支払督促の場合は、消滅時効の期間が5年か10年か(つまり民法169条が適用されるか否か)で明確な判断が示されていないため、単純に10年経過前だからと諦める必要はなく、この点をきちんと争ってみると、よい方向に和解等で解決できる場合もあるようです。

 そのうち裁判例も出てくるかもしれませんけどね(すでに出ているかも・・・)。