2016年7月


 空き家と墓地(仏壇)は1セット(2016年7月25日・vol.245) 


 近年、いわゆる空き家対策として新しい法律(空家等対策の推進に関する特別措置法)ができ、これに伴い各地方自治体等や不動産に関する専門職種(司法書士もまた然り)が様々な活動を行うようになってきましたが、「空き家」というと墓地や仏壇といった祭祀財産も付いてくる(?)ことがよくあります。
 こうした祭祀財産についても、空き家と一緒に適切な処理をしたいのが関係者の実情でしょうが、宗教的なシキタリや法律上の決まりもありますので、関係する菩提寺等とも相談しながら慎重に事を進めるべきでしょう。とりわけ、墓地については、改葬(遺骨を移動)するには、法律上、下記のとおり一定の手続を踏まなければならないとされており、勝手にお墓を入れ替えたりはできませんので要注意です。

○ 墓地、埋葬等に関する法律
第5条 埋葬、火葬又は改葬を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)の許可を受けなければならない。

○ 墓地、埋葬等に関する法律施行規則
第2条 → 改葬手続一般に関する規定
第3条 → いわゆる無縁墳墓の改葬手続に関する規定

 今後は、空き家の処分の相談に加えて、こうした祭祀財産の処分(?)に関する相談も増えてくるのかもしれませんので、空き家対策+αとして相談対応できるように関係諸機関は準備しておくべきなのかもしれませんね。