2016年9月


 裁判手続で値切るのは有り?(2016年9月27日・vol.248) 

 ネタ元は先日受講した某研修会の講師の先生のお話です(何回か同先生の講義を受講したことがありますが、今回は司法書士に関する毒舌?トークが面白かったです)。
 
 さて、裁判手続をしていると、担保金やら予納金やら裁判所から一時的に一定額の金銭を納めるよう命じられることがあります。もちろん、これらの金銭は、余った分は後日全額返してもらうことが前提のお金です。ただ、一時的ではあっても、比較的高額(数十万から数百万単位)の金銭負担を強いられるのは、経済的にも心理的にも結構辛いものがあると思います(少なくとも私だったら辛い・・・)。
 ところで、この担保金等として納める金額を決定するのは裁判官ですが、一応金額を決定する際の基準みたいなものはあったりするようです。ただ、この基準にも一定の幅があるようなので(例えば、家賃の1か月分から3か月分とか債権額の1割から3割とか)、この点だけをみても裁判官に金額について働きかけてみる(金額を値切ってみる)余地はありそうです。
 というわけで、お金の算段が少しばかり厳しい場合は、「ダメもとでちょっと値切ってみれば?」みたいな話になってくるわけです。もっとも、「値切る」と言うとやや言葉が悪いかもしれませんが、「ちゃんとした理由をもって裁判官を説得する」という意味です。したがって、単に「ちょっと負けてーなぁ」とか言っても駄目でしょうし、嘘を述べるのもご法度であり、自らの経済状態や事件の性質なんかを丁寧に説明すれば、もしかしたら基準の下限に近い金額で決定が下りるかもしれませんので、努力してみる価値はあるかも・・・ということです。
 ちなみに、某先生によると、「ちょっと値切れば5万から10万くらいはスッと下がる」感覚だそうです。
 ついでに、私の感覚をいいますと、「やむを得ない事情を切々と説明すればちょっと少ない金額にして貰えたこともあったような気がする・・・」みたいな感じでしょうか。
 担保金等の納付がやや困難な場合は、駄目もとでちょっと「値切り」を考えてみるのも一法かもしれません。


 自殺対策ネットワーク(2016年9月15日・vol.247) 

 先日、篠山市の自殺対策ネットワーク連絡会に司法書士会たんば支部代表として出席してきました。
 篠山市の場合、今年は去年より自殺者の数が悪化しているそうで、自殺対策への取り組みは重要課題のようです。
 司法書士会たんば支部の自殺対策への関与のあり方と言えば、従来から主に多重債務問題解決への取り組み(借金を苦にした自殺の防止)ですが、昨今、貸金業法の改正等もあったためか、多重債務の相談自体が減少していますので、今後は、法律相談等の際に必要に応じて医療、保健、福祉等の関係諸機関へ繋ぐことができる能力も要求されるものと感じています(現実には、その必要性を見抜くのはなかなか難しいことですが・・・)。
 そんな中、今回のような自殺対策に取り組む関係諸機関が集まる会議は、どのような団体がどのような取り組みを行っているのかが分かり、非常に有用であると感じました。


 山林売買の留意事項(2016年9月15日・vol.246) 


 木材の価格低下に伴い昔に比べ山林の価値もかなり下がっていますので、なかなか広大な山林が売れるような例は少ないかもしれませんが、某外国資本が山林を漁っているような噂も聞いたりする今日この頃です。
 というわけで、今回は山林を売買する際の留意事項を以下に思い付くまま挙げてみましたので、ご検討あれ(手続の詳細等はご自身でお調べ下さい)。

1.保安林の指定の有無の確認(山林の使用収益に影響あり)

2.公拡法に基づく事前届出(一定規模以上の土地取引の場合、いわゆる土地の先買い制度)

3.国土利用計画法に基づく事後届出(一定規模以上の土地取引の場合)

4.立木登記、明認方法の有無の確認(土地とその上の樹木の所有者が必ず同じとは限りませんので)

5.売買の対象の確認(土地とそこに生育する樹木はそれぞれ独立して取引対象となり得ますので念のため)

6.その他土地取引一般の留意事項(境界の明示の有無、接道状況等)