2023年1月


 遺贈登記の単独申請(2023年1月31日・vol.368) 

 1月ももう終わりです。年末年始は皆さん Ode to Joy ♪をよく聴かれたことでしょう。ちなみに私はもっぱらベートーベンじゃないやつ(heavenly)を聴きます。メタルに興味がある方は一度聴いてみられてはいかがでしょうか。
 さて、今月は記事が書けそうにないと思っていましたが、気力を振り絞って少しだけ書きます(最近、分からないことがあってとりあえずネットで検索してみたところ、過去に自分で書いた記事で納得してしまいましたので(ある意味悲しい)、頑張って書いておくといいことがあるかも・・・)。

 現在の不動産登記法では、相続人に対する遺贈を原因とする所有権移転登記の申請は、受遺者と遺言執行者(又は相続人全員)の共同申請で行うことになっていますが、令和5年4月1日からは、相続人である受遺者が単独申請できるようになります(改正不登法63条3項)。
 
 この改正は、特に「相続人間の関係がよろしくないうえに、遺言執行者の定めがない遺言書があるような場合」には効果絶大であり、相続人である受遺者は他の相続人の協力なくして対象不動産の遺贈による所有権移転登記申請を単独で行えるようになります。

 自筆証書遺言の場合は、家裁での検認や遺言書情報証明書の取得(法務局保管遺言書の場合)をしなければなりませんので時間的リスクがありますが、そうでなければ、遺言執行者がいなくても受遺者相続人はとりあえず速攻で対抗要件の具備に走ることになるのでしょう(民法899条の2)。

 では、遺言執行者がある場合において、遺言執行者も受遺者相続人のために遺贈登記を単独申請できるのでしょうか?「遺言執行者がある場合には、遺贈の履行は、遺言執行者のみが行うことができる。」(民法1012条2項)と言っている手前、これも認められるようになるのかなと思っていたところ、不動産登記法にはそこまでははっきり書いていないのでムズムズしていましたが、月報司法書士1月号でそこのところがちょっとだけ触れられていましたので、今しばらくは通達等を待つことになりそうです。