2021年9月


 リーガルマトリクス(2021年9月11日・vol.341) 

 交通事故紛争の事件処理の必須書籍としては、赤い本(民事交通事故訴訟・損害賠償額算定基準)青本(交通事故損害額算定基準)緑の本(大阪地裁における交通損害賠償の算定基準)黄色い本(名古屋の交通事故損害賠償算定基準)がありますが(なんか大学の受験本みたい・・・)、実は兵庫県司法書士会には白い本(交通事故相談マニュアル)なるものがあるのです。この白い本、内容自体は1時間もあれば通読できるくらいの分量なので、とてもこの本だけでは実務はできず、基本的には赤い本と一緒に使うことで効用を発揮する仕組みとなっています。それでも、交通事故案件に初めて挑戦する場合の取っ掛かりに使えますし、たまに相談を受けたときの手順の確認にはすごく有用な本なのです(ページが両面印刷になっていないので、裏面にメモ書きや資料貼付ができるのも結構良い)。


 さて、某登記情報誌にリーガルリスクマネジメントの記事が連載されているため、最近、試しに相談業務の際にリーガルマトリクス(リスクの頻度と大きさを説明するカラフルな表みたいなもの)を使ってご説明することがあります。もっとも、私の場合、この表をきちんと使いこなしているわけではなく、単に「○○等の法的なリスクがある」というだけでは分かりにくいので、視覚的に説明と理解がし易いだろうという意味から使用しているだけです。その問題の法的リスクの頻度と大きさを表のどの部分に当てはめるかの判断がなかなか難しいので(表に適切に当てはめるにはそのリスク問題についての広範かつ深遠な知識と経験が必要だと思います)、なかなかうまく使いこなせるようにはなれそうにありません。



 遺書(2021年9月4日・vol.340) 

 超新人司法書士の頃、何かの相談会で「遺書を書きたいので書き方を教えて欲しい」との相談を受け一瞬面くらったことがありましたが、これはもちろん遺言書のことです。ただ、遺書というとどうしても自死等の暗いイメージがあるため、周りは何事かと構えてしまいますが、自分の死後を見据えた際に遺言書(の付言事項)には書けないことを書いたものを残したい場合にも題名はともかく遺書を書くことはありますので、「遺書」というだけで偏見を持って見るのはよろしくないなとその時は思ったものです。

 というわけで、私の場合、遺言書の作成に関する相談や依頼があった場合は、併せて「遺書を作成する必要はありませんか?」と尋ねてみるようにしていますが、「遺書」と言うとやっぱり「何事か」となってしまいますので、もっと柔らかい表現での文題でご案内をしております(巷のエンディングノートとかでよいでしょう)。

 ただし、遺書を作成する場合は、遺言書と遺書の内容が矛盾、抵触しないように注意する必要がありますので(内容によっては遺言執行の障害となる可能性があります)、その点はくれぐれもご注意を!!!(←この意味から、法律実務家としては、今回の遺言書以外に遺言書や遺書の類の書面を既に作成していないかについても相談者の方から入念に聴取することは必須なのです)。